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富山地方裁判所高岡支部 平成3年(ワ)97号 判決

主文

一  被告本田秀雄は、原告らそれぞれに対し、別紙物件目録4記載の不動産について、平成二年一二月一九日遺留分に基づく減殺請求を原因として持分九分の一の所有権移転登記の各手続をせよ。

二  被告本田秀雄は、原告らそれぞれに対し、平成二年一二月一九日遺留分に基づく減殺請求を原因として、

別紙物件目録3記載の不動産について持分六七三万〇二一四分の一〇万二五三九の、

別紙物件目録5記載の不動産について持分一五五九万四六一七分の二三万七五九三の、

別紙物件目録6記載の不動産について持分二四〇万六〇二六分の三万六六五七の、

別紙物件目録7記載の不動産について持分六〇八万七五二六分の九万二七四七の、

別紙物件目録8記載の不動産について持分二四〇万六〇二六分の三万六六五七の、

別紙物件目録9記載の不動産について持分六〇一万六四一七分の九万一六六四の、

別紙物件目録10記載の不動産について持分一一四万一三五五分の一万七三八九の、

別紙物件目録11記載の不動産について持分一八四〇万四七九八分の二八万〇四〇八の

各所有権移転登記手続をせよ。

三  被告本田慎一は、原告らそれぞれに対し、平成二年一二月一九日遺留分に基づく減殺請求を原因として、

別紙物件目録3記載の不動産について持分六七三万〇二一四分の二〇万五〇七八の、

別紙物件目録5記載の不動産について持分一五五九万四六一七分の四七万五一八六の、

別紙物件目録6記載の不動産について持分二四〇万六〇二六分の七万三三一四の、

別紙物件目録7記載の不動産について持分六〇八万七五二六分の一八万五四九四の、

別紙物件目録8記載の不動産について持分二四〇万六〇二六分の七万三三一四の、

別紙物件目録9記載の不動産について持分六〇一万六四一七分の一八万三三二八の、

別紙物件目録10記載の不動産について持分一一四万一三五五分の三万四七七八の、

別紙物件目録11記載の不動産について持分一八四〇万四七九八分の五六万〇八一六の

各所有権移転登記手続をせよ。

四  原告らのその余の請求を棄却する。

五  訴訟費用は、被告らの負担とする。

事実及び理由

第一  原告らの請求

1  被告本田秀雄は、原告らそれぞれに対し、別紙目録4の不動産について、平成二年一二月一九日遺留分減殺請求を原因とする持分九分の一の所有権移転登記の各手続をせよ。

2  被告本田秀雄は、原告らそれぞれに対し、別紙目録3、5ないし11の各不動産について、平成二年一二月一九日遺留分減殺請求を原因とする持分一〇〇〇〇分の一四八の所有権移転登記の各手続をせよ。

3  被告本田慎一は、原告らそれぞれに対し、別紙目録3、5ないし11の各不動産について、平成二年一二月一九日遺留分減殺請求を原因とする持分一〇〇〇〇分の二九六の所有権移転登記の各手続をせよ。

第二  事案の概要

本件は、被相続人本田菊五郎の相続人である原告らが、被告らに対し、被告らが右被相続人から生前贈与等を受けるなどして相続財産をことごとく取得し、原告らの遺留分を侵害しているとして、遺留分減殺を原因として所有権持分の移転登記手続を求めた事案である。

一  争いのない事実

1  当事者

原告らと被告本田秀雄(被告秀雄)は、いずれも本田菊五郎(菊五郎)とその妻はつの子らであり、被告本田慎一(被告慎一)は、被告秀雄の子である。

2  相続

(一) 菊五郎(明治三三年一一月一二日生)は平成二年一月二四日死亡した。

(二) 菊五郎の相続人は、その妻亡はつ(昭和三九年六月一八日死亡)との間にもうけた湊喜代子、被告本田秀雄、原告新井信子、同五十嵐美代子、同本田良夫、同錢谷久能、同赤澤冨美子、本田勝蔵、原告中川悦子、同本田秀治、同難波慶子及び同松岡久子(右一二名の法定相続分は各一三分の一)のほか、亡本田俊夫(昭和六三年一〇月七日死亡)の代襲相続人である本田邦博、石崎美幸及び同大上千恵子(右三名の法定相続分は各三九分の一)である。

2  生前贈与等

(一) 被相続人は、もと別紙物件目録1ないし11記載の不動産(本件物件1ないし11)を所有していた。

(二) 被相続人は、昭和五一年一一月一二日本件物件1を被告慎一に、本件物件2を被告秀雄に、それぞれ贈与した。

(三) 被相続人は、昭和五一年一一月一八日本件物件3、5ないし11の持分四分の一を本田とき(被告秀雄の妻)に贈与し、次いで昭和五二年一月一八日右各物件の残り持分につき被告秀雄、同慎一及び本田ときにそれぞれ持分四分の一ずつ贈与した。

(四) 被相続人は、本件物件4を被告秀雄に相続させる旨の遺言をした(乙三〇)。

3  本田ときは昭和五五年一〇月三〇日死亡し、本件物件3、5ないし11の本田ときの持分四分の二は、被告慎一(ときの子)が相続により取得した。

4  原告らは、被告らに対し、平成二年一二月一九日遺留分減殺請求の意思表示をした(甲一四の一、二の各1、2)。

二  争点

1  遺留分算定の基礎となる財産の範囲とその評価額

(一) 本件物件1ないし3、5ないし11の贈与(本件贈与)について、当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってなした贈与か否か。

(二) 原告ら共同相続人の特別受益

(三) 受贈財産等の評価

2  遺留分侵害の有無

3  被告らの短期時効取得の可否

第三  判断

一  遺留分算定の基礎となる財産の範囲とその評価額について

1  加害の認識の有無

遺留分算定の基礎となる財産は、被相続人が相続開始時に有した財産の価額にその贈与した財産の価額を加えて算定するものであるが、右贈与は相続開始前一年間にしたものに限るものの、それ以前にしたものでも当事者双方が遺留分権利者に損害を加えることを知ってなした贈与も算入される。そこで、本件物件1ないし3、5ないし11の贈与(本件贈与)が遺留分権利者に損害を加えることを知ってなされた贈与か否かにつき検討する。

争いのない事実及び証拠を総合すると、次の事実が認められる。

菊五郎は、昭和二四年本田油脂工業株式会社を設立して油脂等の製造販売を行い、昭和三一年には営業目的に製紙業も加えて本田産業株式会社と商号変更したが、経営不振等により、昭和三六年三月同社の営業から油脂部門を切り離したうえ、被告秀雄が経営する「本田秀雄商店」を新たに発足させ、これに右油脂部門の営業を委ねたこと、そして、本田産業株式会社は同年五月債権者申立により破産宣告を受けたこと、右破産宣告後、菊五郎は営業の一線から退いたこと、本件物件は、いずれももと菊五郎の所有であり、大半が菊五郎が右事業を続けるなかで取得形成した財産であったこと、昭和五〇年ころ、被告秀雄が財産を単独相続するため原告ら兄弟にそのための判を押すよう申し向けたところ拒否されたこと、被相続人は、昭和五一年八月六日遺産全部を被告秀雄に相続させる旨の公正証書による遺言書(乙三〇)を作成したこと、その後、被相続人は、本件贈与をするに及び、同年一一月一二日には本件物件1を被告慎一に、本件物件2を被告秀雄に贈与し、同月一八日には本件物件3、5ないし11の持分四分の一を被告秀雄の妻本田ときに贈与し、次いで残りの持分を昭和五二年一月一八日被告秀雄、同慎一及び本田ときに四分の一ずつ贈与したこと、右贈与は、贈与者である菊五郎の個人債務を負担するなどの負担付きのものではないこと、またそれまで原告秀雄が行ってきた菊五郎の扶養、債務の整理、家族への援助等に対する対価と黙すべきものでもないこと、右贈与は、財産を分散させたくないという菊五郎と被告秀雄の強い意思のもとに行われたものであること、被告秀雄及び同慎一は、右贈与の当時、菊五郎には本件物件以外に他にみるべき財産のないことを知っていたこと、菊五郎は、営業の一線を退いてからは被告秀雄の援助で生活し、右贈与がなされた後も同様であったこと、本件物件4は右公正証書遺言(乙三〇)により被告秀雄が平成二年一月二四日相続により取得したことの各事実を認めることができる。

ところで、前記「損害を加えることを知ってなした贈与」か否かは、贈与財産の全財産に対する割合のほか、贈与者の年令、所得状況、生活状態などから将来財産が増加する可能性のないことを認識していたか否かも考慮して決すべきものであるところ、右認定の諸事情を総合すると、本件物件の贈与時、各贈与の当事者は、菊五郎には本件物件以外に他にみるべき財産はなく、かつ将来とも新たに財産が増加することはないと知っていたものというべきであり、したがって、遺留分権利者である原告らに損害を加えることを知りながら本件贈与をしたものとみるのが相当である。

2  原告らの特別受益の有無

遺留分権利者たる共同相続人に被相続人からの特別受益があるときは、これも遺留分算定の基礎となる財産に算入しなければならない。そこで、以下検討する。

(一) 原告本田良夫は、昭和五三年家を新築した際、実家から三〇〇万円の援助を受け、このうち菊五郎からは一〇〇万円が贈与されたことが認められ(甲一二の3、原告本田良夫)、総務庁統計局「消費者物価指数年報(平成二年版)」によれば、消費者物価指数(全国、持家の帰属家賃を除く総合)は昭和五三年が七八・六、平成二年一月が一〇四・一であるから、右贈与金を相続開始時に換算すると一三二万四四二七円(円未満切り捨て)となる。そして、この程度の金額であれば、当時の菊五郎とすれば、三男への祝い金として社会通念上相当な出費の範囲内にとどまるものというべきであるから、これをもって特別受益とみることはできない。

なお、被告らは、原告本田良夫が昭和三〇年代菊五郎から事業資金の援助を受けたと主張するが、その時期、金額とも明らかでなく、原告本田良夫はこれを否定していることなどに照らし、特別受益とは認めない。

(二) 原告本田秀治は、昭和四四年ころ、家を新築した際、実家から金二二〇万円くらいの援助を受けたことを認めることができるが、これが菊五郎の出捐による贈与であるとは認められず、特別受益ではない。

(三) 婚姻費用について

原告新井信子、同五十嵐美代子、同錢谷久能、同赤澤冨美子、同中川悦子、同本田秀治、及び同松岡久子について、それぞれの婚姻に当たり、道具類等を購入してもらったりなど相応の援助があったものも認められるが、その金額が必ずしも明らかではないのみならず、その時々の菊五郎の経済状況に応じた相当の範囲内の費用支出であるにすぎず、とくに共同相続人間の衡平を失するような多額の出費であったとは認められず、いずれも特別受益にはあたらない。

(四) その他、被告らは原告新井信子に昭和二〇年代五万円援助したと主張するが、時期が古く、同原告はこれを否定していることなどに照らし、認めることはできず、特別受益にはあたらない。また、被告らが主張する原告難波慶子への援助は、同原告自身への援助ではなく、同原告の養親への援助とみるべきものであるから、特別受益にはあたらない。

(五) 以上のとおりであり、算入すべき原告らの特別受益はない。

3  財産の評価

(一) 遺留分算定の基礎となる財産に加える財産は本件各物件である。その評価は相続開始時が基準となるが、不動産の贈与時に抵当権が設定されており、相続時までこれが存続している物件については、贈与時の抵当債権額を控除するなどの考慮をしてこれを評価するのが相当である。

なお、贈与後に抵当権が設定されている場合に、贈与不動産の評価にあたって、とくにその抵当債権額を控除するなどの考慮は要しないと解される(民法一〇四四条、九〇四条参照)。

(二) 本件各物件の評価

次のとおり認められる。

(1) 本件各物件の相続時の鑑定評価額

本件各物件の相続時の鑑定評価額は、本件物件1が二九二万七〇〇〇円、同2が八二四万六〇〇〇円、同3が七四七万七〇〇〇円、同4が五二万円、同5が一七三二万五〇〇〇円、同6が二六七万三〇〇〇円、同7が六七六万三〇〇〇円、同8が二六七万三〇〇〇円、同9が六六八万四〇〇〇円、同10が一二六万八〇〇〇円、同11が二〇四四万七〇〇〇円である。

(2) 贈与時の抵当権の設定状況

(本件物件1、2について)

贈与時に設定の根抵当権はない。

(本件物件3、5ないし11について)

贈与時に設定されていた根抵当権は次のとおり。

〈1〉昭和四二年二月二八日設定 元本極度額 二五〇万円

損害金日歩五銭 (二年分) 九一万二五〇〇円

〈2〉昭和四七年二月一七日設定 元本極度額 一五〇万円

損害金年一四% (二年分) 四二万円

〈3〉昭和四七年九月八日 設定 極度額 一二〇万円

(本件物件4とも共同担保)

(本件物件4について)

相続による取得時に設定されていた根抵当権は次のとおり。

〈3〉昭和四七年九月八日 設定 極度額 一二〇万円

(本件物件3、5ないし11とも共同担保)

〈4〉昭和五五年一月一〇日設定 極度額 一八〇〇万円

(本件物件3、5ないし11とも共同担保)

〈5〉平成元年一月三〇日 設定 極度額 四〇〇〇万円

(本件物件3、5ないし11とも共同担保)

(3) 控除すべき抵当債権額

極度額を被担保債権額とみて共同担保につき各物件の価額の割合に応じて債権額を割り付けると別表のとおりであり、そうすると、本件各不動産につき控除すべき抵当債権額は、本件物件3が七四万六七八六円、同4が四六万七六二九円、同5が一七三万〇三八三円、同6が二六万六九七四円、同7が六七万五四七四円、同8が二六万六九七四円、同9が六六万七五八三円、同10が一二万六六四五円、同11が二〇四万二二〇二円である。

(4) 遺留分算定の基礎となる財産としての評価額

(1)の相続時の鑑定評価額から、(3)の抵当債権額を控除して、次のとおりに認めるのが相当である。

本件物件1 二九二万七〇〇〇円

同 2 八二四万六〇〇〇円

同 3 六七三万〇二一四円

同 4 五万二三七一円

同 5 一五五九万四六一七円

同 6 二四〇万六〇二六円

同 7 六〇八万七五二六円

同 8 二四〇万六〇二六円

同 9 六〇一万六四一七円

同 10 一一四万一三五五円

同 11 一八四〇万四七九八円

合計 七〇〇一万二三五〇円

二  遺留分侵害の有無

遺留分算定の基礎となる財産は本件各物件のみであり、その総価額は右のとおり七〇〇一万二三五〇円である。そうすると、原告の遺留分額は、右価額の二六分の一にあたる二六九万二七八二円となり、本件贈与等が右原告の遺留分を侵害するものであることは明らかである。

なお、被告秀雄が本件物件の維持形成に貢献するなど被相続人菊五郎に多大の寄与をしているとしても、遺留分制度が被相続人の財産処分によっても各相続人の最低限の実質的な地位を保障しようとするものであることに照らすと、被相続人への寄与をもって各相続人の遺留分を否定することはできない。

三  被告らの短期取得時効の可否

被告らは、原告らの遺留分を侵害することを知って本件物件の贈与を受けたものであるから、占有の始めに善意思無過失であったとはいえない。

また、仮に被告らが本件物件を時効により原始取得する余地があるとしても、これによって遺留分侵害の事実とその認識という遺留分減殺請求を基礎づける事情が被告らから払拭されるわけではなく、遺留分権利者から請求を受ける立場にあることに変わりはない。

したがって、被告らに時効取得は認められない。

四  結論

以上のとおりであるから、原告らは、それぞれ遺留分減殺請求権の行使により自己の遺留分(二六九万二七八二円)を保全するのに必要な限度で本件贈与等の効力を失わせることができる。

(一)  まず、原告らは、被告秀雄が菊五郎の遺言により平成二年一月二四日取得した本件物件4について、遺留分減殺請求した。

同物件4の評価額は五万二三七一円であるから、その全部を減殺対象とし、原告らはそれぞれ右物件につき持分九分の一ずつ(五八一九円相当)減殺できる。

(二)  次に、原告らは、菊五郎が昭和五二年一月一八日被告秀雄、同慎一及び本田ときになした本件物件3、5ないし11の持分四分の一の贈与について、遺留分減殺請求した。

そうすると、右各贈与は、前記(一)の減殺請求後の遺留分(二六八万六九六三円)を保全する限度で、被告秀雄、同慎一及び本田ときの各贈与持分四分の一から、各物件の価額割合に応じて、減殺される。

減殺対象となる各物件の所有権の持分割合は、別紙計算書により、次のとおりとなる。

本件物件3 六七三万〇二一四分の 一〇万二五三九

同 5 一五五九万四六一七分の 二三万七五九三

同 6 二四〇万六〇二六分の 三万六六五七

同 7 六〇八万七五二六分の 九万二七四七

同 8 二四〇万六〇二六分の 三万六六五七

同 9 六〇一万六四一七分の 九万一六六四

同 10 一一四万一三五五分の 一万七三八九

同 11 一八四〇万四七九八分の 二八万〇四〇八

本田ときの贈与持分四分の一はときの相続人である被告慎一が承継したから、被告慎一が本田ときから承継した右持分四分の一についても減殺請求される。

(三)  以上のとおりであるから、原告らは、被告らに対し、主文のとおりの登記手続を求めることができる。

(別紙)

物件目録

1 所在 高岡市博労本町八七〇番地

家屋番号 鴨島九六番四

種類 居宅

構造 木造瓦葺二階建

床面積 一階 一三四・七一平方メートル

二階 七四・三八平方メートル

2 所在 高岡市博労本町

地番 八七一番一

地目 宅地

地積 一三七・三一平方メートル

3 所在 高岡市永楽町

地番 一七〇八番二

地目 宅地

地積 一五七・一五平方メートル

4 所在 高岡市永楽町四三一一番地

家屋番号 一五五番

種類 工場

構造 木造瓦葺平家建

床面積 一六五・二八平方メートル

(附属建物の表示)

〈1〉 種類 ボイラー室

構造 コンクリートブロック造瓦葺平家建

床面積 二七・五〇平方メートル

〈2〉 種類 蒸場

構造 コンクリートブロック造瓦葺平家建

床面積 九・九一平方メートル

5 所在 高岡市永楽町

地番 四三一〇番

地目 宅地

地積 三六四・一三平方メートル

6 所在 高岡市永楽町

地番 四三一一番一

地目 宅地

地積 五六・一九平方メートル

7 所在 高岡市永楽町

地番 四三一一番二

地目 宅地

地積 一四二・一四平方メートル

8 所在 高岡市永楽町

地番 四三一二番一

地目 宅地

地積 五六・一九平方メートル

9 所在 高岡市永楽町

地番 四三一二番二

地目 宅地

地積 一四〇・四九平方メートル

10 所在 高岡市永楽町

地番 四三一三番一

地目 宅地

地積 二六・六七平方メートル

11 所在 高岡市永楽町

地番 四三一三番二

地目 宅地

地積 四二九・七五平方メートル

(別表)

〈省略〉

根抵当権の内容

(物件 3、5ないし11に設定)

抵当権〈1〉 昭和42年 2月28日登記 元本極度額 250万円

2年分の損害金 912,500円(日歩 5銭)

同 〈2〉 昭和47年 2月17日登記 元本極度額 150万円

2年分の損害金 420,000円(年 14%)

同 〈3〉 昭和47年 9月8日登記 極度額 120万円

同 〈4〉 昭和55年 1月10日登記 極度額 1800万円

同 〈5〉 平成元年 1月30日登記 極度額 4000万円

(物件 4に設定)

抵当権〈3〉 昭和47年 9月8日登記 極度額 120万円

同 〈4〉 昭和55年 1月10日登記 極度額 1800万円

同 〈5〉 平成元年 1月30日登記 極度額 4000万円

(別紙計算書)

一 各受贈者に対する遺留分額の割り付け

2,692,782 - 5,819 = 2,686,963

2,686,963 × 1/3 = 895,654

二 各贈与物件の価格割合による遺留分の割り付け額

( 遺留分額 × 各物件価額/ 合計額 )

物件3 895,654 × 6,730,214/ 58,786,979 = 102,539

同5 895,654 × 15,594,617/ 58,786,979 = 237,593

同6 895,654 × 2,406,026/ 58,786,979 = 36,657

同7 895,654 × 6,087,526/ 58,786,979 = 92,747

同8 895,654 × 2,406,026/ 58,786,979 = 36,657

同9 895,654 × 6,016,417/ 58,786,979 = 91,664

同10 895,654 × 1,141,355/ 58,786,979 = 17,389

同11 895,654 × 18,404,798/ 58,786,979 = 280,408

( 本件物件の3、5ないし11の価額の合計額 58,786,979 )

三 各贈与持分の価額と割付遺留分額

( 各物件価額 × 持分比率 )

物件3 6,730,214 × 1/4 = 1,682,553 > 102,539 ×9

同5 15,594,617 × 1/4 = 3,898,654 > 237,593 ×9

同6 2,406,026 × 1/4 = 601,506 > 36,657 ×9

同7 6,087,526 × 1/4 = 1,521,881 > 92,747 ×9

同8 2,406,026 × 1/4 = 601,506 > 36,657 ×9

同9 6,016,417 × 1/4 = 1,504,104 > 91,664 ×9

同10 1,141,355 × 1/4 = 285,338 > 17,389 ×9

同11 18,404,798 × 1/4 = 4,601,199 > 280,408 ×9

四 各贈与物件中の減殺対象部分の所有権持分割合

( 遺留分/物件価額 )

物件3 102,539 / 6,730,214

同5 237,593 / 15,594,617

同6 36,657 / 2,406,026

同7 92,747 / 6,087,526

同8 36,657 / 2,406,026

同9 91,664 / 6,016,417

同10 17,389 / 1,141,355

同11 280,408 / 18,404,798

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